「45歳でFIREしました。」
そう話すと、ほとんどの人から同じことを聞かれる。
「どんな株を買ってたんですか?」
「何倍になった銘柄があったんですか?」
もちろん、投資はFIREできた大きな理由の一つや。
でも、もし「FIREできた一番の理由を一つだけ挙げてください」と言われたら、自分は迷わずこう答える。
「転職です。」
この答えに驚く人は多い。
でも、自分の15年間を振り返ると、資産3億円を築けた理由は、投資の利回りよりも、入金力を上げ続けたことの方が圧倒的に大きかった。
今日は、自分がそう思う理由を書いてみたい。
新卒で選んだのは「給料が高い会社」だった
大学時代、自分はスポーツ部に所属していた。
本当は卒業後も実業団へ進み、競技を続けたいと思っていた。
でも、自分が就職した年は就職氷河期の真っただ中。
実業団の採用は本当に少なく、全国トップクラスの選手でも行き先が決まらない時代やった。
そこで、自分は競技に一区切りをつけることを決めた。
スポーツの世界から社会人へ。
その時、就職活動で決めていた基準が一つだけある。
「どうせ働くなら給料が高い会社へ行こう。」
今思えば、ずいぶんシンプルな考え方やったと思う。
医療に強い興味があったわけでもない。
製薬業界に憧れていたわけでもない。
純粋に、「給料が高い」という理由で外資系製薬会社を受け続けた。
結果として、新卒で外資系製薬会社へ入社することができた。
入社した日の目標は「出世すること」だった
大学を卒業して4月。
スーツを着て入社式に向かった。
その時、自分が考えていたのはFIREではない。
「誰よりも成果を出したい。」
「早く出世したい。」
「管理職になってもっと給料を上げたい。」
スポーツしかやってこなかった自分は、会社も同じような世界だと思っていた。
努力した人が評価される。
成果を出した人が昇進する。
そう信じていた。
でも、それは社会人になって間もなく崩れていく。
成果だけでは出世できない。
上司との関係。
組織のタイミング。
人事。
会社特有の空気。
スポーツとは全く違う世界がそこにはあった。
もちろん仕事は一生懸命やった。
でも、「成果を出した者が評価される」という学生時代の価値観は、少しずつ変わっていった。
最初は転職なんて考えたこともなかった
最近は転職が当たり前の時代になった。
でも、自分が社会人になった頃は違う。
「一つの会社で長く働く。」
それが普通やった。
だから、自分も転職するつもりなんて1ミリもなかった。
ところが、その価値観を壊した出来事が起こる。
所属していた会社が買収された。
自分ではどうすることもできない。
真面目に働いていても。
営業成績が良くても。
会社そのものが変わってしまう。
その時、初めて思った。
「会社って安定ちゃうんや。」
この出来事が、自分の人生で最初の大きな転機になった。
転職して初めて知った「年収を上げる一番早い方法」
買収をきっかけに転職した。
そして、転職して驚いた。
給料が上がった。
昇給を何年も待つより早い。
管理職になるのを待つより早い。
会社を変える方が、年収は大きく変わる。
これは自分にとって衝撃やった。
もちろん、転職にはリスクもある。
環境は変わる。
人間関係もゼロから。
結果が出なければ居場所もなくなる。
それでも、自分はこの時に初めて、
「入金力は、自分で変えられる。」
ということを知った。
資産形成というと、投資ばかり注目される。
でも、投資に回せるお金がなければ、資産はなかなか増えない。
当たり前のことやけど、この時初めてその意味を実感した。

30歳で、人生のゴールを変えた
そして30歳。
自分は一つの決断をする。
FIREを目指そう。
当時は今ほど「FIRE」という言葉が知られていたわけではない。
SNSもない。
YouTubeもない。
でも、自分の中でははっきりしていた。
「会社に人生を預ける生き方はやめよう。」
買収を経験したからこそ、そう思えた。
会社は生活を支えてくれる場所ではある。
でも、自分の人生そのものを任せる場所ではない。
ここから、自分の考え方は大きく変わった。
会社で成功することではなく、
会社を利用して、自分の人生を成功させること。
それが一番の目標になった。
4社目への転職で、FIREが現実になり始めた
30歳でFIREを目指すと決めてからも、自分は会社員を続けた。
会社を辞めたかったわけではない。
会社に依存したくなかっただけや。
その後、3回目の転職をして4社目の会社へ入社した。
入社した当時は、
「ここが最後の会社かな。」
なんて思っていたわけではない。
まだ日本法人ができて間もない会社で、評価制度もよく分からなかったし、会社の将来も未知数やった。
ただ一つだけ感じていたことがある。
「前の会社より給料は良くなりそうやな。」
その予感は当たっていた。
入社して1〜2年が経つ頃には、自分でも驚くくらい年収が上がっていた。
今振り返ると、この転職がFIREに一番近づいた瞬間やったと思う。
投資の利回りは毎年変わる。
でも、年収が上がれば、毎月投資に回せる金額は確実に増える。
この差は想像以上に大きかった。
投資だけでは、ここまで来られなかった
「投資を頑張ればFIREできますか?」
もし聞かれたら、自分はこう答える。
「投資だけでもいけるかも知れんけど、難しいと思う。」
高い利回りを出せれば話は変わる。
でも、それを何十年も続けるのは簡単ではない。
一方で、年収が100万円、200万円と上がれば、その分を長期で投資に回せる。
しかも、それは毎年積み上がる。
自分の場合、転職によって入金力が大きく伸びたことが、資産形成を加速させた。
だから、資産3億円という結果だけを見ると「投資が成功した人」に見えるかもしれへん。
でも、自分の中では違う。
転職があったから投資を続けられた。
これが本音や。

希望退職は「終わり」ではなく「スタート」だった
4社目で働き始めて約10年。
ついに会社から希望退職の募集が発表された。
実は、自分は30代の頃から決めていたことがある。
「希望退職の対象になったら、その時がFIREのタイミング。」
もちろん、資産が足りなければ辞めるつもりはなかった。
でも、その頃には資産は約2億円まで増えていた。
本音を言えば、もう少し余裕を持ってからFIREしたかった。
会社の給料は高かったし、仕事も耐えられないほど大変ではなかった。
だから、希望退職というきっかけがなければ、「もう少し」「あと少し」と言い続けていたかもしれない。
人生には、自分で決断しないと変えられないこともある。
でも、人生を変えるきっかけが向こうから来ることもある。
自分にとって、その希望退職は後者やった。

FIREを目指す人へ、一番伝えたいこと
FIREというと、多くの人は投資から始めようとする。
もちろん、それは間違っていない。
でも、自分はもう一つ、同じくらい大切なことがあると思っている。
「自分の市場価値を上げること。」
給料が上がれば、投資に回せるお金が増える。
投資に回せるお金が増えれば、資産形成のスピードも上がる。
つまり、
入金力と投資は、どちらかではなく両方必要なんや。
もし今の会社で、
「頑張っても給料がほとんど上がらない。」
そう感じているなら、一度転職市場を見てみるのも選択肢の一つやと思う。
転職することが目的じゃない。
自分の価値を正しく評価してもらえる場所を知ること。
それだけでも、人生の選択肢は大きく広がる。
まとめ
45歳でFIREできた理由。
それは、投資でもあり、転職でもある。
でも、どちらか一つを選べと言われたら、自分は転職を選ぶ。
転職で入金力を上げたから投資を続けられた。
投資を続けたから資産が増えた。
そして、その資産が自由という選択肢を与えてくれた。
FIREは、一つの正解でたどり着くものじゃない。
自分の人生では、
「転職」と「投資」。
この二つがそろって、初めて実現できた。
だから今、もしFIREを目指しているなら、証券口座の残高だけじゃなく、自分自身の市場価値にも目を向けてみてほしい。
それが、将来の自由を大きく左右するかもしれへん。

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